第2章 荼毘
「これとこれ、と。あと何かあるか?」
「いえ、特には……」
「そうか」
「……荼毘さん、普通に買い物するんですね」
「今はヴィランなりに真っ当に生きてる」
「そうなんですか……」
現在、どこかよく分からないけど多分裏の人達御用達のスーパー的なとこにいます。
結局朝起きても私は元の世界には戻れてなかったと。
荼毘さんに起こされてついてくるように促されて来たのは何だか外見は廃れた感じのお店。
でも中に入ると意外と綺麗で、荼毘さんは普段ここで日用品を仕入れているとのこと。
流石にね、例えイケメンだとしてもこんな継ぎ接ぎのお顔の人が来たら何もしてなくても通報されちゃいそうだしね、目立つし。
お金の出処は聞かなかったと言うか聞けなかった。
何か聞いちゃいけない気がした。
私にも一応要るものとか聞いてくれるけど、まぁ言えないよね。
特にないってのもあるけど、流石に昨日会ったばかりのヴィラン様にそんなこと言えないよね。