第1章 特別授業
「あなた、最近学校ではどうなの?」
「どうって、いつもどうりだけど。」
「成績のことを聞いてるの」
「成績?
別に変わっちゃいねぇよ。
相変わらず、クラスの中間ぐらいだけど?」
母親が俺の成績を気にするなど、珍しい
まさか、変な噂でもたって俺が単位をおとしたとでも思ってんのか?
いや、そんな噂を信じるわけがない
「・・・じゃあ、これはどういう意味の手紙なの?」
「手紙?」
俺に差し出した手紙は、エコール・マジックの校長直々の手紙だ
「そこに、信じられないことが書いてるから、貴方の目で確認して。」
「・・・」
なぜか、嫌な予感しかしない
別に学校で変なことはしていない、が・・
〝あの校長〟からの手紙だと思うと、気を引き締める必要があった
「―――――・・・。」
俺は手紙の内容をじっくり読んでいった
そこには長々しい前置きがあったが、俺は途中からの文に目が留まった
『デリック・ハインツレイド君、君の成績は目を見張るものばかりだ。
私は君の日々の努力が開花し、いずれエコール・マジックに変革をもたらす優秀な生徒になることだと信じている。
そこで、君は家を離れ、私が指名した生徒とルームシェアをするのはどうかと思う。
もちろん、学校が管理する高級寮だ・・そして、学費は今までの半額にしよう。
そうすれば、独り身の母親にも負担にはならないだろう?
・・これを承諾するのは君自身だ。
私は一度しか誘わない、よく考えて返答したまえ。
では、よい返事を待っているよ』