第1章 特別授業
「おい、出てきやがれ!」
俺は学校に戻り、さっきの怪しい少女を探した
1棟と2棟を結ぶ渡り廊下に現れた、あいつに。
既に夕暮れが過ぎ、校舎は薄暗がりはじめている
「あら、息があらいわね」
「!」
俺のすぐ後ろに、探していた少女が現れた
「てめぇ、さっきの光景はなんだよ!」
「驚いた?
そうよね、家に帰ってみれば母親が無惨に殺されてる光景を見せられたのだから。」
笑顔で話すこの女に、俺は腹が立った
「・・燃やしてやってもいいんだぜ?
死体なんて残らないほどの灰にできるんだ。」
「アタシを殺したいと思ってるの?
でも残念、貴方にアタシは殺せない。
なぜなら・・」
ボッ!
俺は女が話しているのを最後まで聞かずに
炎をだした
たが、女は苦しむ様子がない
炎は完全に女を包んでいる
なのに、何でこいつは笑って俺を見てる?
「だ、か、ら。
効かないのよ、どれだけ強い魔法でも。」
「お前、何だよ?!」
「ホログラム。」
「え」
「授業で学んだことはあるでしょ?
アタシは外の世界から、こっちの世界に写し出されているホログラムなよ。」
「・・はっ、よく出来てるホログラムだな。
んで、どうやってここに写し出してんだ?」
「そんなの、教えるわけないじゃない。
アタシから教えれるのは、この人物とこれから行動を共にしなさい、ってことね。」
少女は俺にある青年の写真を見せてきた
「彼と一緒にいれば、今日のような事は起きない。
絶対にね。」
俺は写真に写っている青年の顔を見つめた
というのも、その青年を知っていたからだ
クラトス・ハーバーラング
成績はエコール・マジックで一番
父親はエコール・マジックの理事長
母親は錬金術科の臨時講師
クラトスは容姿もキレイだと言われ、女子生徒に人気だ
しかも、俺と同じクラス。