第1章 特別授業
思わず家を飛び出て吐いた
「な・・なんで・・こんなことが・・う゛え゛っ!」
深呼吸して、俺はもう一度家に入った
だが、次に見ると、家の中にはなにもない
「あら、お帰りなさい」
いつもように母親が鍋で蜥蜴のスープを作っている
「・・・は?」
訳が分からない
さっきまで確かにあったはずだ
血まみれの床と散らばった臓物
死んだ母親の死体が。
それが、夢のようになくなっている
一瞬、目を離しただけでそんなことが起きるのか?
「なにボサッしてるの?」
「あ・・・いや・・・さっき・・母さんが死んでる・・光景が・・見えて・・・」
何言ってるんだ、俺は。
そんな事言ってもややこしくなるだけだ
「?」
ほら見ろ。
目をまるくしてこっち見てる
その時、俺はさっきの少女のことを思い出した
『あなたは家に戻ってはいけない』
まさか、あいつが関係しているのか?
だったら、まだ学校の渡り廊下にいるか?
ダッ!
「あ、デリック?!」
「悪い、ちょっと急な用を思い出した!
今日は遅くなる!」
家を飛び出し、俺は学校にむかった
さっきの少女に会うために・・・。