第2章 高級寮
「よし、では各自暗記してきた呪詛記号があるな?」
女教師は空中に呪詛記号を魔力で描き、それをバラバラに並べて話した
「今からお前たちには一人ひとり、この記号を正しく並べさせる!
一度でも間違えれば点数を5つ落とす!」
点数を落とす
ということは、言葉通り、自分の持ち分の点数が減る事を意味する
魔法生徒には、入校した瞬間から50という数の点数をもらえる
その点数と実力で魔法使いとしての格が決まる
つまり、点数とは知識の量
その点数が10下回れば、普通の魔法学校に戻される
戻されれば、エリートではいなくなるのだ
そうなれば、今までこの高級寮で築いてきた事全てが水の泡
点数とは、生徒たちの中で命の次に大切なものだと言っても過言ではないんだ
その大切な点数を、呪詛記号を正しく並べるのに一度間違えるだけで5つも落とされる
これは・・・やばい・・・と俺は思った
俺以外にもそう思っている奴がいるんだろう
一気に教室はざわつきだす
だが、女教師は躊躇なく席の順番で生徒を一人ひとり前に立たせ
他の生徒には見えないように魔法で結界をはり
テストを始めた
「・・・なあ、クラトス。
あの女教師ってもしかして・・」
「大魔導士のアンジェリカだろ」
「?!」
やっぱりそうだ
クラトスの吸血衝動を抑えるために定期的に治療魔法を施している大魔導士
エコール・マジック、高級寮内で最強の治療魔法使いだ
「まさか、あんな小柄な人だなんてな」
俺は信じれない気持ちでいっぱいだった