第2章 高級寮
「・・・・。」
「って、おいクラトス大丈夫か?!」
「・・・ちっ。」
・・・え?
今、クラトスが舌打ちした?
あのクールなクラトスが・・・
表情もとても黒い
やべぇ・・キレた・・クラトスがキレた・・・
正直、寒気しかでなかった
「よぉ、クラトス・ハーバーラング様!
この前はお世話になりましたねぇ~!」
「俺たちに幻覚なんて新鮮なものみせてくれてよ!」
「今度はお前の番だぜ?」
軽い挑発をクラトスにする男子生徒たち
それを面白がって小ばかにしながら見てる教室の生徒たち
なんだよ、ここ・・・ただのイジメじゃねぇか。
俺はこんな学校なら・・・・
「お前たち、何している?」
「!」
俺の後ろで、長髪の小柄な女性教師が立っていた
「・・・クラトス・・〝また〟かけられたのか・・。」
「・・・。」
「お前も学べよ、〝薄いから〟といって甘く見ているといつか本気でひどい目に見るぞ?」
「・・・・・。」
男のような口調の女教師
っていうか、この人は確か・・・。
「全員席に着け!
今から私が授業を始める!
点呼はしない!
・・なぜなら、お前たち一人一人の顔と名前を憶えているからだ!」
「・・・え、すげぇ・・。
・・って、うわ?!」
たくましすぎるその教師に、俺はただ突っ立っているだけだった
そんな俺を黙ってクラトスは手を引っ張り、席につかせた
「・・・!?」
俺の手を引っ張るクラトスの右手には
さっきかけられた水がまだあって、ぬれていた
けど、俺の見間違えだろうか?
少し、ぬれていた箇所の皮膚が・・・・溶けているように見えたのは・・・。