第2章 高級寮
「けど、ここにはアンジェリカさんはいない・・・
なら、どうやってその治療魔法を定期的に施すんだ?」
俺の質問に、クラトスは服を着ながら話した
「この刺青に俺の魔力を流し込むんだ。
要はこの刺青の魔力がなくならなければ、効果はずっとある・・だから、アンジェリカの世話になったのは一回きりだ」
まるで友達に世話になってもらったかのような口調
大魔導師は、そう簡単になれるものじゃない
普通は俺らみたいな生徒は敬意をもつべきだが
クラトスからはそんな気配がまったく感じられない
まぁ、こいつは特別だからか・・・
ゴーン ゴーン ゴーン
「鐘の音?」
俺は寮全体に響く鐘の音に気がいった
なにかの合図か?
それにしても外を見ても、廊下を見ても誰も動いてない
むしろ、恐ろしいほど人気がない
「クラトス・・今の鐘の音は」
「デリック・・・・・今すぐ着替えろ。」
「?」
「今の鐘の音、授業が始まった合図だ!」
「はっ・・・はぁーーーーーー?!」
俺とクラトスは急いで新しく支給された制服を着た
白のブラウスに、紺色の上着
黒の長ズボンに、黒い制靴
赤色のネクタイに、銀色のバッチ
俺は二十階級という魔法使いの階級では十五階級
灰色の小さな星のバッチを五つ、右胸につける
対してクラトスは銀色の星のバッチを五つ着けていた
俺の灰色の星は二十~十一階級までの生徒がつける
銀色の星は十~一階級までの魔法使いがつける
そう、灰色の星は生徒レベル
だが銀色の星は“魔法使い”とう大きな部類に含まれる
銀色の星のバッチをつけるのは、先生でもあり得る
もちろん、クラトスが五つなら、あいつは五級になり
上から五番目に強いことになるんだ