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エコール・マジック

第1章 特別授業



「それにしても、お前すごいな。
解呪術なんて何処で習ったんだ?」




俺はヤギをもとに戻した生徒に声をかけた



「独学で習得した」




「ど、独学?!」

「基本魔術文だけ覚えれば、あとは応用だ。
誰でもやろうと思えばできるはずだ。」




この生徒、解呪術を独学で習得したなんて言い出した

それは二年生で習うもの・・一年生の俺達が独学で習得できるものではない。

中には二年生になっても習得できない者もいるという



それを、こいつは・・・。




よく見ればこの生徒、例の写真の生徒だ


ホログラムの少女が俺に見せてきた生徒

こいつとずっといれば、俺は母親が死んでるような景色を見せられずにすむ。





「俺はデリック・ハインツレイド。
さっきは・・ありがとう、助かったぜ。
えっと、お前は確か・・」



俺は気を取り直して、自ら名乗った



「クラトス・ハーバーラングだ」




「クラトスか・・」








「デリック、クラトス!」




変身術の講師が俺とクラトスの名前を呼んできた




「お前達は今の事を報告書にまとめ、すぐに教頭に提出してこい」


講師が差し出したのは、報告書ではなく、始末書だった


「はぁ?!
これ、始末書じゃねぇか?!」



俺は思わず声をあらげて言ってしまった


俺は巻き込まれただけ


隣の女子生徒が変な呪文唱えて山羊を化け物にした

なら、始末書は女子生徒が書くものだろうが。





「行くぞ、デリック」




なんの抵抗もなく、始末書の用紙を受け取って教室から出ていくクラトス





「あ、おい!」



気まずい教室の空気



俺はこういう空気が一番苦手だ





「ハァー」




ため息をつきながら、俺は始末書を持って教室をでた
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