第3章 烏との再会
私は体育用具室に向かう山本を見つける
私が声をかける前に山本が用具室にいる先客に声をかけたのでとっさに隠れた
山本が声をかけたのは烏野の坊主君だった
何の話をするのか聞き耳を立てる
坊主「あぁ?何だてめぇ、こら
まだやんのか、こら。シティーボーイ、こら。」
(シティーボーイって(笑)
今どき言う人いるんだ)
山本がモジモジしている
山本「あの⋯⋯その⋯そっちのマネ⋯⋯⋯
マネージャーさんの名前何て言うんですか?」
その瞬間、坊主君の目がつりあがった
坊主「ぐぬぅぅぅぅ!てめぇ!うちの大事なきよ⋯
マネージャーにちょっかい出す気か!
そのふさふさしつこくさわるぞ!」
坊主君の手がわしゃわしゃと動いている
それはそれで面白そうだなと思う
すると山本が口を開いた
山本「いや、話しかける勇気はない」
清々しいほど潔いというか⋯⋯
それが山本の良さでもある
2人の間に沈黙が流れ
それを破ったのは坊主君だった
坊主「潔子さん、清水潔子さんだ」
山本「何と!名が体を表している」
坊主「そうだろう、そうだろう
俺も話しかけるまでにだいぶ時間がかかったから気持ちは分かる
でも、話しかけてガン無視されるのもいいぞ」
山本が衝撃を受ける
山本「はぁぁぁぁぁ!いや!俺にはまだハードルが高い」
坊主「ぷっ、あはははは
なんだお前、結構いいやつだな」
山本「お前もな。俺、山本猛虎だ」
坊主「田中龍之介だ」
何ともバカバカしい場面に出くわした気がする