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「薄紙の」「今はさは」

第1章 嘘つき


数日後。
真選組屯所内の一室に、土方に報告書を見せる山崎の姿があった。
「潜入の方はどうだ?」
紫煙を吐きかけながら土方に、山崎は軽く頭を下げた。
「あのキャバクラですが、やはりオーナーは攘夷志士グループとの付き合いがありました。裏帳簿があり、売り上げの一部を脱税してグループの活動資金として流しているようです」
「そうか…よく調べたな。山田」
呼びかけられた山崎は苦笑した。
「やめて下さいよ。俺の本名は山崎です」
土方は少し笑い、報告書を長い指で叩いた。
「明後日、グループが店で会談を行うのは間違いないんだな?」
「はい。先週オーナーが電話で話していたので確かです」
「よし。明後日、一番隊で乗り込む。お前は従業員の女達を巻き込まねーように配慮しろ」
「はい」
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