【ジョジョ第5部】Destino!【ブチャラティ】
第4章 Posso vedere -見える-
「いいところにいた…!ジョルノ!!」
その名前にハッとして顔を上げる。
階段の途中で向こうから下りようとしていたところに名前を叫ばれ、驚いた顔をしてる初流乃がいた。
「リゼを止めろ!」
捕まりたくない捕まりたくない!!
逃げなきゃ!
逃げなきゃ!!
私は泣きそうになりながら初流乃を見上げる。
お願い…見逃して…っ!!
階段を全力で駆け上がる。
初流乃はまだ驚いて立ち止まっているだけで、私を捕まえようと動く気配はない。
もうすぐすれ違う。
3…
2…
1…
やった!
通り過ぎーー…!!
「…ッ!」
…と思ったその瞬間、グイッと腕をつかまれ、走って行こうとした私の体が引き戻される。
振り返ってみると、初流乃が私の腕をつかんでる。
「初流乃放して!!」
私はただ腕を振り回して怯えながら手を引き抜こうとする。
全っ然離してくれない。
初流乃は無言で私を掴んだまま。
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