【ジョジョ第5部】Destino!【ブチャラティ】
第4章 Posso vedere -見える-
その瞬間、ブローノの動きがぴたりと止まる。
「見えるのか…?」
心底驚いた顔で目を見開き、私を凝視する。
「え?何が?ジッパーのこと?」
見える?
見えちゃいけないものだった?
…どういうこと?
「オレのスタンドが…見えるのか?」
その瞬間、私の背筋がぞわっと凍った。
スタンド…。
絶対に他人に知られてはならない。
不用意にそのことを口に出してはならない。
禁忌にしてきたもの…。
誰にも秘密の……私の力。
「ブローノ、あなた…それ使えるの?」
「君こそ…スタンド使いなのか?」
私はそのまま呆然としてしまう。
その通り…私はスタンド使い。
でも…それが知れたら私はーー…
しかも、こんな公衆の面前でスタンドの話をしてしまった。
誰が近くにいるかわからない。
心臓の鼓動がバクバクと速くなり、不安の波が押し寄せる。
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