【ジョジョ第5部】Destino!【ブチャラティ】
第3章 appuntamento -デート-
「今日は…ありがとう」
玄関を背に立ってブローノにお礼を言う。
…離れたくない。
「オレこそ、君と一緒にいれて楽しかった。また…行こう」
「えぇ…。楽しみにしてるね」
「あぁ」
私たちは少しの間見つめ合う。
「じゃあ…行く」
行かないで。
「おやすみ、リゼ。良い夢を」
ブローノが私の頬に軽くキスしてくれる。
ほっぺが熱くなると思いきや、目頭が熱くなる。
繋いでいた手からするりとあなたの手が離れていく。
あなたは最後まで優しく微笑んでいて、そのまま背中を向けて歩いて行く。
…離さないで。
行かないで。
一緒にいてーー…
彼をほんの少しだけ見送って、はぁと大きくため息をつく。
かばんから鍵を取り出し、ガチャンと鍵を回す。
虚しさが込み上げる。
寂しい。
私は中にも入らずに外でドアにおでこをつけて立ち尽くす。
想いが少しの涙になって溢れ出してくる。
ただ黙って駆け巡る思いを胸に眠るなんてできない。
おやすみなんて嫌。
今日は眠りたくない。
あなたといたいーー…
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