【ジョジョ第5部】Destino!【ブチャラティ】
第3章 appuntamento -デート-
「あ!ごめんなさい。私、変に舞い上がっちゃって…。あなたにその気がないのはわかってーー…」
「いや…違う」
違う…?
違うってことはーー…
「それに関しては少し…時間が欲しい」
「…うん!」
私は笑顔を貼り付け、残念な気持ちをごまかした。
本当はもっと違う言葉を期待してた。
でも、今日一緒にいてもらえただけで私はーー…
「だが…君のこと、大切に思ってるのは確かだ」
愛おしさを滲ませた瞳とちょっと満足そうな微笑みに、私はハッと息を飲んだ。
嘘じゃあなく、ただ真実を言ってるんだってわかった。
「…ありがとう」
震える声で小さく伝える。
あなたのその言葉を大切に胸にしまう。
「私には…そう思ってくれるだけで充分よ」
「あぁ…。すまない」
「ううん。いいの」
私の精一杯の返事に、彼は親指で私の手を撫でる。
そうして1時間くらい歩いて、あっという間に私の家の前に着いた。
これで…今日はもうあなたとお別れ。
家に着きたくなかったな…。
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