【ジョジョ第5部】Destino!【ブチャラティ】
第3章 appuntamento -デート-
私は彼の腰に手を回す。
彼はちょっと驚いてぴくりと体を揺らし、私の方を見る。
「リゼ…?」
「満員電車、だから…」
すると、彼は私の頭をそっと撫でる。
「そうでなくても…こうしていたい」
そう囁いて、彼は私の頭の上に頬を乗せて肩を抱き寄せる。
私も…こうしていたい。
満員電車は好きじゃあないけど、このままでいられるなら…それもいいかなって。
あなたの腕の中は心地いい。
私はそのぬくもりに目を閉じる。
しばらくしてブローノが私を小さく揺さぶる。
「着いた。降りよう」
それとほぼ同時に電車のドアが開く。
端にいる私たちは降車する人たちをしばらく待って、余裕ができた頃に駅のホームに降り立った。
くっついてた体が離れ、少し涼しく感じる。
「行こう、リゼ」
ブローノは私を連れて他の客と同じ方向へ進んでいく。
大きな道路の横断歩道を渡り、砂浜より2m程高く護岸の方に歩いていく。
人も多くなってきたが、ほとんどが砂浜の方におり、今いる上の護岸側はまだそんなに人は多くなかった。
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