【ジョジョ第5部】Destino!【ブチャラティ】
第2章 clienti abituali -常連客-
「リゼ」
「は、はい!」
突然呼ばれてびっくりして思わず背筋を伸ばしてしまう。
でも、目線は彼に向けられない。
「ジョルノが言った通りだ。オレは君に守られた…」
「そ、そんなこと…っ。ただ、無我夢中と言いますか…」
「何か礼をしたい。何がいい?」
お、お礼…?
私…お礼されるようなこと何にもしてないのに…。
ただ勝手にキレて、勝手にゴリラになって、勝手にボコボコにしただけだし…。
「欲しいものはあるか?」
「い、いえ…」
でも…もしこの特権を使っても良いなら…私は彼としたいことがある。
言えるかな?
ドキドキしちゃって言えないかも…。
「やって欲しいことか?それとも行きたい場所があるとか?」
「あっ…そうですね…。どちらも…という感じです」
ブチャラティさんは不思議そうな顔をした。
「どちらも?どちらもというのは?」
「あの…わ、私とーー…」
「私と…?」
「デ、デートしてください!!」
「えっ…」
ブチャラティさんは一瞬心底驚いた顔をしたけど、すぐにうつむいて頭を抑える。
顔も耳も赤い。
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