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嫉妬は最大の愛情表現

第2章 2


川島自身もシャツを着たままだった。
もちろん下も脱いでいない。

――心の距離を感じる。

こんなに近くにいるのに、肌が触れ合っていないだけで、なにか大きな溝がふたりの間にできてしまったような気になった。

川島がなにに対して怒っているのかわからない。

はっきりいってくれればいいのに、川島はいつも自分の心に溜め込んでしまうのだった。

お嬢様は川島のそんな性格も愛しているから、いつも無理に訊いたりはしない。

ただ、今夜は明らかにおかしくなっている。

どうにかしなければと思うのに、川島にされるすべてのことに快感が生じてしまい、その流れに抗えずにいた。

また身体を仰向けにさせられる。

川島の手がお嬢様の片脚を持ちあげ、そのまま自分の肩にかけると、見せつけるように足首に舌を這わせた。

「ンッ……」

薄闇に浮かびあがった生白い脚に、川島の長い指と赤い舌が絡みついていた。

その光景が最高にいやらしく感じられ、お嬢様はそれを目にしただけで陶酔状態に陥った。

川島が空いた方の手で柔らかい内腿を撫でまわしている。おろしたてのスカートは、もう川島の手によって原型をとどめないほど皺くちゃになっていた。

「お嬢様……このスカートはもう処分しましょうね。オレの唾液とお嬢様ので汚れてしまったし、こんなに皺になったらアイロンをかけてもとれませんから」

いいながら川島の舌が這いあがってきて内腿に留まる。
そこで吸うようなキスを繰りかえした。

「あッ……!ぁん……はあッ……」

お嬢様は川島の髪に手を差しいれ、小さい子がいやいやをするするように首を左右に振った。

柔らかい部分に川島の舌を、唇を、吐息の熱をダイレクトに感じて頭がおかしくなってしまいそうだった。


川島はとにかく執拗だった。

お嬢様の身体を少しずつ蝕んでいくように撫でまわす、舐めまわす。

それなのに決して肝心なところにはいかない。

遠くの方から快感を与えてくるだけ。
思えば川島は最初からずっとそうだった。

それに気づいたお嬢様が、もどかしげに身じろぎしながら川島の髪を引っぱる。

川島が顔をあげてお嬢様を見た。

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