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嫉妬は最大の愛情表現

第2章 2


いい終わらないうちに川島が強く抱きしめ返してきた。

「お嬢様……お嬢様!」声のトーンが上ずっている。

「ね、わかった?」

「はい、わかりました……とてもよく」

お嬢様は川島の顔を見あげ、泣いたカラスがもう笑ったと茶化した。

恥ずかしそうに川島が微笑む。

「お嬢様、どうやらわたしは相当なヤキモチ妬きのようです。オレの愛はきっと重い……また酷くヤキモチを妬いてしまうと思いますが……そのときは、おゆるしくださいますか?」

お嬢様は微笑んでうなずいた。

さっき自分を抱いていたときとは、まるで別人の川島。

その愛の、違うカタチを見せられて、お嬢様は川島の心の深淵を少しだけ覗けた気がした。

もっと知りたい。
もっとぶつけてきて欲しい。川島のすべてを。

ふたりでずっと永遠に焦がれ合っていたい。

いつもは冷静なのに、自分の行動や言葉のひとつで変になったり怒ったり、涙を流してしまう川島が愛しくてたまらない。

お嬢様は最後にもう一度、帰りが遅くなり連絡しなかったことを謝った。川島もまた謝ってきた。

仲直りのキスをする。

お風呂に入りたいというお嬢様のために、川島がバスルームへ用意に向かった。


嫉妬でおかしくなった川島。

Sっぽくてちょっとカッコよかったから、たまにヤキモチを妬かせてみるのもいいかな。

部屋を出ていく川島の、真っすぐに伸びた背中を見ながら、お嬢様は胸の隅でこっそり画策をした。

(The End)


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