第1章 file.1 前編
「今回、貴女は私の付き人&護衛だけども、結局は他の通訳がいるし、寧ろ私がピスコのフォロー役なのだから貴女は目立たない所で待機してればいいのよ。」
「...それとこれとなんの問題が?」
「だから、貴女はパーティー会場には行かないんだからいつものスタイルで来なさい。
そっちの方がその格好より動きやすいでしょう。」
「ってゆー事が日本に来る前のベル姉とのやり取りなんだけどどう思う!!!!!!!!!」
ジンのポルシェの後部座席にドカッと座りながら、地下ビルの駐車場で犬のようにキャンキャンと愚痴るロゼ。
それを聞きながらジンとウォッカはまたかよと黙って話を聞いていた。
結局、ロゼはベルモットに言われた通り、組織でよく着てる服装...黒のベストに白のワイシャツ、盗聴器が忍ばせてある赤い石のスカーフブローチ、スリット部分に白い布でヒダの入った黒のショートパンツに、太股からのソックスガーター、あとは髪の毛が邪魔にならないようにセミロングの猫っ毛のある髪の毛は頭の上で器用に団子を作っている。
勿論、ベルの行動を把握できるように盗聴器もバッチリ耳に着けている。
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