第2章 file.1 後編
「はあ?シェリーを見つけてピスコを殺した?」
何それどーゆーこと!!!!!!!!!と、ロゼが後部座席からウォッカの肩を掴み掛かった。
一応、運転してるので事故らない程度に。
事件も解決してベル姉も開放されて、その少し後でジンとウォッカが迎えに来てくれて、車中でそんな事を聞かされた。
しかも、ジンは腕に結構な怪我してるし、一体何があったのよ。
てゆーか、シェリーは殺される寸前に逃げ出したとは聞かされてたけど、この付近で生きてたんだ。
「安心しろ。
ピスコは今頃炭じゃねーか?」
「つまり、焼いたのね。」
そういえば、この付近で火事がどうのとか、軽く騒ぎがあったような。
「けど、俺たちじゃねぇからな。
建物はピスコが部屋にいた時には既に火が上がってやがったから、また他に誰かいたらしくてな。」
ウォッカの言葉にロゼはピタリと動きを止めた。
「そうなの?」
てっきり証拠隠滅の為に、建物ごと燃やしたんだと思ったのに。
「でも、トドメを指したのはジンなんでしょ?」
「あの方から直々の命令だからな。」
「せっかく私がハンカチ渡してあげたのに、写真に撮られるなんて...死んで正解だわ。」
「そっか、なら仕方ないねー。」
ピスコも可哀想に、とまた後部座席にポスンと戻った。
「そうだ、ベル姉向こうにはいつ帰るの?明日?明後日?」
「いいえ、暫く女優は休業するわ。
日本でのんびりするつもり。
だから、ロゼ、あなたも暫くは日本に滞在よ。」
パチンとコンパクトミラーを畳み、ポカンとしてるロゼにニヤッと笑って見せるベルモット。
「...へ?」
そして、この滞在をきっかけにロゼの未来が変わりだした。
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