第2章 思い出
1ヶ月後
父「マイコさん、わざわざ母さんの命日に来てくれてありがとう」
マイコ「兄さん、そんなお礼だなんて………こんな時にしか来られなくて、逆に申し訳ないです」
今日は母さんの命日。
母さんは私が10歳の時に、病気で死んだ。
母さんの命日には、私は必ず母さんのお墓に来て、1日中母さんと会話をしている。
「ねぇ母さん。私、帰って来ちゃった。私には東京という街は、合わなかったのかもしれないね」
その時、ふわりと優しい風が私を包んだ。
まるで天国の母さんが優しく包み込んでくれた様に……
「私、母さんに謝らないと………母さんが大切にしてたペンダント………失くしちゃったんだ。一生懸命探したけど、どこにもなくて………母さんごめんなさい」
母さんの形見のペンダント………まさかそれが新しい出会いを連れて来るとは、この時は知る由もなかった。