第3章 case 1
雅紀「だって、カズの顔もっと近くで見たかったんだもん!」
また…見たかったんだもん!って…だもんって、おめえは女子か?!
てか、顔あっちい。
たぶん俺、今顔真っ赤だわ。
自覚するほど顔、熱いから。
「あのさ、あの…、まーくんはさ、どっちもイケるの?」
顔の火照りを両手で覆い隠しながらまーくんに問いかける。
雅紀「まっさかー。今まで女の子としか付き合ったことないよぉー」
俺もだよ。
雅紀「だけどね。何でだろ?何故か、カズのことは、その、あの…あのね…」
また、もごもごかよ?
「………」
はっきり言ってなに言いたいのか、わからない。
それに、直ぐもごもごしてイライラしてくる。
なのに、どんどん心臓がうるさくなってくる。
これって、恋?
〜って、俺ってば、なに少女マンガみたいなこと考えちゃってるんだよ?
まーくんの顔をチラ見してみる。
ドッキューンッ!って、なにまた少女マンガしちゃってんだよ、俺!
雅紀「あの、あのね、カズ…」
ああもう!
もごもご!!
言いたいことあるなら、はっきりズバッと言えや!
〜って、いつもの俺なら言っちゃうところだけど。
まあでも顔が真っ赤だから?
わかったよ?
まーくんの気持ち的なもの?
「ありがとう」
雅紀「えっっ?!」
「まーくんの、気持ち。ありがとう。俺も、なんか、まーくんのこと、好き…みたい、よ?」
まーくんの顔が、パアッと弾ける笑顔になる。
それから、俺の両手を包み込んできて。
「ほんとにほんとにほんとに?俺のことが好き?ほんとに?」
「うん。ほんと」
たぶん、好きなんだと思う。
だって、男にこんな感情抱いたことねえもん。
雅紀「ほんとにほんとにほんとにほんとに…」
「しつこいな!ほんとだよっ!!」
まーくんの顔がパアっと弾けた。
それから、顔をぐいっと近づけてきた。
近い近い近い!
近いから!