第3章 case 1
また口ごもるし。
なーんか、少しイライラしてきたなー。
「はっきりと!言いなっ!さいっ!」
イライラを隠せず態度に出てしまった。
本来なら客にこんな態度はいただけない。
わかっちゃいるのよ?
わかっちゃいるんたけど、ねえ…。
雅紀「カズ…、あのね、俺…」
「うん」
なんか、まーくんが近づいてるような?
ベッドに腰掛けている俺の隣にまーくんが座った。
雅紀「俺。カズに本気になりそ…」
「………はっ?」
は???
なんでなんでなんで??
まだ、出会って2時間くらいだぞ?
仕事の話しかしてないぞ?
どこに好きになる要素あった?
とにかく。
ホテル。ベッド。二人きり。
ヤバい。ヤバい要素しかない。
「な、なーに言ってんのさー?まーくんってば、傷心過ぎて頭混乱してるんじゃない?」
雅「そうかも?そうかもだけど…」
ドンッと、肩を押されて、ベッドに投げ出された。
「おいっ!ちょっ、待てよっ!」
今の状況、かなりヤバいよな?
色々危機よ、俺。
起き上がって逃げようとするも、すぐに捕まって覆い被さってきた。
なんなんだよ!
さっきまでの初々しさはどこに行ったんだよ?
雅紀「ごめんね。なんだか、カズが可愛く見えるし、チューもきもちよかったし…急に、カズを欲しくなったんだもん!」
「欲しくなったんだもんって何だよ?!と、とにかく!落ち着け!」
まーくんの手は、俺のシャツを捲り上げ胸のサキを摘まんでくる。