第4章 日常
ーAsideー
すげー!
翔くんに教えてもらうと、面白いくらい問題がスラスラ解ける。
今まで何で分からなかったんだろって思っちゃうくらい。
俺本当は頭良かったのかも!
···うそうそ!調子乗りました!
翔くんの教え方がめちゃめちゃ上手いんです。
ニノが翔くんを褒めちぎってた時、ただのノロケかと思ってたけど本当だった。
すごいなぁ、翔くん。
智は今はニノに何か聞いてる。
中学の時は分からないことはニノに教えてもらってたな~なんて、ちょっと懐かしい気持ちになった。
ほんのちょっと前まで中学生だったのにね。
それにしても、さっきから翔くんは俺と智に付きっきりだ。
合間にニノや潤の質問にも答えてる。
自分の勉強全然出来てないじゃん···
ニノや潤も、翔くんが智の相手してる時は、代わりに教えてくれるし。
何だか申し訳ない気持ちになってくる。
そうしたら智が
「こうやって教えてもらえて俺はすごい有難いけど、みんなの邪魔してるんじゃないかって思って」
まさに俺が思ってたのと同じことを口にした。
思わず、うんうんと頷いてしまう。
でもそんな俺たちに対する3人の反応はとても優しくて。
感動してちょっと泣きそうになった。
「さ、そんな心配しなくていいから!試験の心配して!」
ニノにそう言われて、こっそり目元を拭ってまたノートに視線を戻した。
俺に出来るのは頑張ることだけ!
みんなに教えてもらってることを無駄にしないこと!
集中しよう!