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キミのとなりで【気象系BL】

第4章 日常


ーOsideー


カフェスペースに移動して、テーブルを確保して席に着く。

するとおもむろに翔くんがニノに手をのばした。

ぼんやり見ていると、翔くんがニノの前髪をヘアクリップでとめてあげてた。

不器用な手つきだけど、優しさに溢れてる。

ニノはニコニコされるがままだ。

前髪にハートをつけて可愛く笑ってる。

「ねぇ···」

つい疑問が口に出る。

「なんでハートなの?」
「気になるのそこなの?」

潤に突っ込まれる。

えー?他に気になることある?

2人のイチャイチャはいつものことだし。

潤はよく呆れてるけど、俺は2人が仲良くしてるのけっこう好きなんだよなぁ。

見てて微笑ましいし。

何よりニノが幸せそうだし。

「妹のだからだけど···え?カズに似合ってない?」

翔くんが心配そうな顔をする。

「似合ってるよ」
「雅紀に言われても嬉しくねーし」

雅紀が肯定すると、ニノが口を尖らせた。

また雅紀にそんな態度を取って。

甘えてるんだから。

雅紀は「はいはい」って軽くいなしてる。

「本当に可愛いよ?」

俺も褒めるとニノはぶぅっと頬を膨らませたけど、そんな顔しても可愛いだけだよ。

それに、どことなく嬉しそうじゃん。

潤は苦笑いしてるけど、否定はしない。

だって本当に似合ってるもんね。



とりあえず、それぞれに自分のやりたい教科をやることになった。

しばらく集中していたが、ふとニノが翔くんの耳元で何か囁いてるのに気付いた。

それに答えるためか翔くんもニノの耳元に口を寄せる。

何してんだろ?

目の前でこんなことされると、さすがに気になるんだけど。

「なんで内緒話してるの?」
「目の前でコソコソ話さないでよ~」
「何か俺たちに聞かれたくないこと?」

潤と雅紀も気になってたみたい。

そりゃそうだよね。

ニノと翔くんは一瞬キョトンとしたけど、顔を見合わせると吹き出した。

「ごめんごめん!内緒話なんてしてないよ」
「分からないとこ聞いただけ。ずっと図書館で勉強してたから小声で話すのが癖になってたね」
「ここで小声になる必要ないのにな」

あはは、なんて笑ってる。

図書館で内緒話しながら勉強する2人を想像して、また微笑ましい気持ちになった。

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