第4章 日常
ーSsideー
「試験の範囲表きたね~」
帰る準備をしながら、カズがプリントとにらめっこしてる。
中間試験2週間前になり、試験範囲が配られたばかりだ。
ちょっと口を尖らせてるのが可愛い。
「もう中間かぁ」
「早いよね。ついこの間入学したばっかなのに」
「学力テストもあったのにね~」
智くんとため息をついてる。
「ねぇ、カズ。放課後何か予定ある?」
「へ?今日?何もないよ」
「えっと、今日だけじゃなくて試験まで。良かったら一緒に試験勉強しない?」
実はちょっと前から考えてた。
毎日一緒に帰ってるけど、もっと一緒にいれたらなって。
試験勉強って口実なら自然に誘えるんじゃないかなってさ。
カズの顔がパッと明るくなった。
「いいの?分からないとこ翔ちゃん教えてくれる?」
「もちろん!俺で分かることなら」
「わぁ、嬉しい!翔ちゃんずっと学年トップだって聞いたよ!迷惑じゃないならお願いしたい!」
「迷惑なわけないよ。俺から誘ってるのに」
断られなくてホッとした。
「あ、潤と智くんも一緒にどう?」
安心した所で、側にいた2人にも声を掛ける。
「俺たちも?一緒でいいの?」
「···なんか俺たちに対して、ついで感が強くない?」
智くんは何故か驚いてるし、潤は呆れ気味だ。
「え?いいよ?」
何をそんなに驚くんだろう?
「なんで?やなの?」
カズもキョトンとしてる。