第26章 お泊まり
風呂から上がってきたカズはますます可愛くなっていた。
濡れた髪の毛にピンクのほっぺ、実はさっきも風呂上がりの可愛さにやられたんだけど。
何度見たって可愛いもんは可愛い!
しかも、今のカズは俺の服を着てる。
俺が普段着てるTシャツとジャージなんだけど、華奢なカズにはブカブカで。
これが所謂彼シャツってやつ?
Tシャツだから違うのか?
その基準が分からないけど、これはヤバい!
その可愛さに萌え悶えてしまう。
本当はすぐにでも2人きりになりたかったけど。
まだしょんぼり落ち込んでいた弟を、カズと2人で慰めて寝かしつけて。
まだまだカズと遊びたい妹と母親を何とか振り切って。
やっとやっとカズと2人きりになることが出来た。
「カズ~~」
部屋に入るなり、触れられなかった時間を取り戻すようにカズをぎゅうっと抱き締める。
「どしたの、翔ちゃん?」
カズは首を傾げながらも、腕を俺の背中に回してくれて。
ああ、可愛い!!
ああ、幸せ!!
「ごめんね、カズ…騒がしい家族で…」
「ふふ、そんなことないよ。みんな元気で楽しいよね」
「みんなカズのこと大好きすぎるんだよ…」
カズはクスクス笑ってるけど、俺には笑いごとじゃない。
「俺のカズなのに…」
「翔ちゃん…///」
つい本音を漏らしてしまったらカズは赤くなったけど。
「俺はね、みんなが俺のこと家族みたいに受け入れてくれて嬉しかったよ?」
「カズ…」
「だって翔ちゃんの家族だもん…出来たら好かれたいし…いつかは俺も本当に家族になりたいもん…」
恥ずかしそう俺の胸に顔を隠して、そんな可愛いことを言ってくれて。
俺がつまらないヤキモチ妬いてる間も、カズはそんなことを考えてくれてたんだと思うと。
なんだかジーンとして、胸がいっぱいになった。