第26章 お泊まり
それからは2人きりでお喋りをしたり、ゲームをしたり。
特別なことは何もしてないけど、時間を気にせずずっと一緒に居られるのが嬉しい。
お泊まりって最高!!
いつか一緒に暮らせる日が来たら、これが当たり前になるんだ…なんて、想像してはにやけてしまう。
でもいつまでも起きてることは出来なくて。
「ふぁ…」
「カズ、眠い?」
「んー…」
カズが小さくアクビして、目をこしこし擦りだした。
眠そうなカズも最高に可愛い。
「そろそろ寝ようか」
ベッドの下に用意してた布団を敷いて。
俺は1人モソモソとベッドに上がる。
でも眠たいはずのカズは横になろうとしなくて。
「カズ?寝ないの?」
カズの顔を覗き込んだら、うるうるの上目遣いに捕まった。
「……ねぇ、翔ちゃん」
「な、何?」
「一緒に寝てもいい?」
……………………え?
イッショニネテモイイ???
ちょっとすぐには理解出来なくて。
いっしょに、ねても???
一緒に……寝ても………?
「えええっ!??いいい、一緒に!??」
理解した瞬間叫んでしまった。
「うん…こんな機会滅多にないもん…だめ?」
枕をぎゅっと抱えて上目遣いとかずるいと思う。
可愛すぎてこんなの断れないじゃん!!
「だだだ、ダメじゃない!ダメじゃないけど…」
「けど?」
だってカズと一緒に寝るとか…
本当にいいのか?
そんなの夢みたいだけど…
嬉しくて幸せだけど…
でも…でも…
しばらく葛藤してみたけれども。
「翔ちゃん?」
「……………………どうぞ」
結局カズには勝てなかった。