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キミのとなりで【気象系BL】

第26章 お泊まり



「そうそう!ケーキもあるのよ」

ニコニコと機嫌の良い母さんがでっかい箱を冷蔵庫から取り出してくる。

ケーキまで準備してたのか。

夕飯も稀に見るご馳走だったのに…
なんなら俺の誕生日より豪華だったからね。

母さんもカズが泊まるからって、相当張り切ってたもんな。

「カズくんどれがいい?」
「俺は何でも…」
「じゃあ、カズくんはいちごー!ぼくもいちごー!」
「私はチョコ!」

カズの両脇は妹弟にがっつり固められ。

3人で箱の中を覗き込みながらケーキを選ぶ姿は、微笑ましい光景だとは思うけど。

俺のカズなのに…と拗ねたくもなる。

少し離れたところで、1人いじけていたら

「翔ちゃんはチーズケーキだよね?」

カズが声を掛けてくれて。

可愛い笑顔と、カズが俺の好きなケーキを覚えててくれたことで、俺の機嫌は急上昇!

「うん!ありがとう、カズ」

返事をしながら、いそいそとカズの向かいの席につく。

隣に座れないなら、真正面は譲らない。

「おいしいね!」
「……うん」

笑顔は浮かべてるものの、カズの手はなかなか進まない。

夕飯も相当食べさせられてたもんな。
少食なカズにはキツいんだろう。

いつもなら俺が食べてあげるんだけど…

正直どこまでやって大丈夫なのか分からない。

家族にはカズと付き合ってることはまだ打ち明けてない訳で。

舞あたりにはバレてる気もしなくはないけどさ。

まだ覚悟が決まってない状態で、何か下手なことしたり言ったりして、うっかりバレるのは避けたい。

とりあえず、このケーキを食べ終わったらカズを連れて俺の部屋へ行こう。

無理してるであろうカズを休ませてあげたい。

っていうか、いい加減返してもらわなきゃ!

だってカズは俺のなの!
俺だけの恋人なの!

俺にもカズを独り占めさせてくれ!!

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