第25章 なぞなぞ
「智なんだと思う?」
「俺はもう分かったよ」
「ええっ!?本当に!?」
本当に分からないらしいニノは、智と一緒に考えようとしたみたいだけど。
智にあっさり答えが分かったと言われて、目をまん丸に見開いた。
「雅紀は?」
「逆になんで分かんないの?」
動揺したように雅紀にも聞いたら、質問で返されて。
「えーーっ!?雅紀のくせに!」
「おい!くせにとか言うな!」
悪態をついてから、俺と風間に不安そうな目を向ける。
「潤くんと風間も…分かってる…の?」
ニノは俺たちの表情を読んだようで、質問というよりかは確認という感じだったから。
黙って頷いたら、ニノはシュンと落ち込んでしまった。
「翔ちゃんのことは俺が一番に分かりたかったのに…俺、恋人失格…?」
「わっ!カズ!」
「ニノ!泣かないで!」
ウルウルと目に涙を溜めるニノに、翔と智が慌てる。
こんなゲームごときで泣くなよ…とは思いつつ。
やっぱりニノの涙は見たくない。
それは雅紀も風間も同じ気持ちだろう。
「ねぇ、せーので答えを言おうよ」
「そうだな!」
「そうしよ!」
雅紀の提案に反対するやつがいる訳はなくて。
答えが分からないニノだけは悲しそうな顔をしているけど。
正解が分かれば機嫌も直るだろう。
「いくよ?せーの!」
「「「「ニノ!!」」」」
雅紀の合図に合わせて4人の答えが綺麗にハモった。