第23章 雪あそび
ーMsideー
智とニノがきゃっきゃしながら雪うさぎを作るのを翔と並んで眺める。
「可愛いな…」
「ああ、めちゃくちゃ可愛い…」
子どもみたいに無邪気な笑顔で遊ぶ2人はとても可愛い。
そこらで雪遊びをしてるやつらの視線を集めまくってるけど、まぁ本人たちは気付いてはいないだろうな。
翔が威嚇するようなオーラを撒き散らしているから、声を掛けてくる勇気のあるやつはいないし。
ニノはついさっき作りすぎだって呆れてたのに、作ってみたら楽しかったのか智と一緒になって大量の雪うさぎを作っていて。
休み時間が終わる頃には辺り一面雪うさぎだらけになっていた。
「たくさん出来た!」
「ねー!」
2人とも達成感に満たされた顔をしている。
「カズ」
翔はニノに近寄ると当然のようにその手を両手で包んだ。
「あったかい///」
ニノも頰をピンクに染めてはいるけど、ごく自然に受け入れていて。
さっきも翔のポケットの中で手を繋いでたもんな。
これくらいどうってことないのか。
翔たちから智に視線を移す。
智は2人を優しく見守りながら、ハァっと手に息を吹きかけていて。
手、冷たいよな…
あっためてやりたい…
でも、どうしても躊躇してしまう。
そんなことしてもいいのか?
智はどう思う?
もし、この気持ちがばれてしまったら…?
俺が真剣に悩んでいるのに、隣のバカップルからは
「何度もごめんね?」
「気にしないで。カズが寒いなら何度だって俺があっためてあげたいんだよ」
「翔ちゃん…///」
なんて会話が聞こえてきて。
「ふふっ、あったかい」
「カズもあったかいよ」
つい振り向いてしまったら、2人はしっかり抱き合ってイチャついていた。