第20章 想い届く
もともと華奢なのに、更に痩せてしまったカズはなんだか消えてしまいそうに儚くて。
そりゃ今のカズも可愛い。
儚さがまるで妖精みたいで、とてもとても可愛い。
でもどんなに可愛くても、それ以上にカズの体が心配だ。
カズを抱き締める度に、その折れてしまいそうな細さに、罪悪感に押し潰されそうになる。
まぁ抱き締めると言っても、なんだか両想いだって分かってからカズのことを今まで以上に意識してしまってて。
今までみたいに簡単に…いや、今までも簡単ではなかったけど。
今まで以上に照れてしまってなかなか抱き締めるなんて出来ない。
カズも同じなのか、ちょっと触れたたけで飛び上がって真っ赤になっちゃうから。
ますます恥ずかしくなって手が出せなくなるループにはまってる。
まぁ、真っ赤になって照れてるカズもめちゃくちゃ可愛いし。
それだけ俺を意識してくれてるんだって思えば嬉しいんだけど。
そんなこんなで、今までみたいにカズに触れることすらなかなか出来ずにいる。
……じゃなかった!
話が逸れてる!
どんなに謝っても足りないくらいだけど、カズは頑として自分が悪いの一点張りで。
俺の謝罪は受け入れてくれないから。
ホワイトデーのお返しに感謝と謝罪の気持ちも込めたいと思ってるんだ。
そんなのただの自己満足だって分かってるけどね。