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キミのとなりで【気象系BL】

第3章 手紙


ーAsideー


「ニノさ、告白の呼び出しに翔くんと手を繋いで行ったんだって?噂になってるらしいよ」

昼休み、弁当を食い終わってから切り出してみた。


今朝、風ぽんに教えてもらった噂。

聞いたときは色々ショックだった。

呼び出しのこと相談してもらえなかったのも

こんな噂で初めて知ったのも

翔くんに付き添ってもらってるのも

手を繋いでたっていうのも

全部ショックで。

ニノは元々そんなに人に頼るタイプじゃない。

ちょっと前に怖い目にあったときだって、事前に何も相談してくれなかった。

後から話してくれたのだって、自分の相談っていうより、智に注意を促すためって感じだったし。

そのニノが翔くんにはちゃんと相談したのか。

何も話してもらえなかった自分が寂しくて、ニノに頼られる翔くんが羨ましかった。


突然の質問にニノはきょとんとして、翔くんはむせた。

智と潤は驚かなかったから、2人も知ってるんだって分かってまた寂しくなった。

知らなかったの俺だけかよ。

みんながどんな経緯で知ったのかは分からないし、わざと仲間はずれにするようなやつらじゃないと思う。

でも拗ねたような気持ちになるのは仕方ないだろう。

「しかも翔くんが超こわかったって」

そんな気持ちを気付かれないように、わざと明るく続けたら、途端にニノの顔が険しくなった。

「なにそれっ?そんなの嘘だよ!翔ちゃんが怖いわけないじゃん!」
「否定するのそこなの?」

キャンキャン噛みつくニノに、呆れたように潤が笑うと

「告白なんかされてないし!」

ニノは付け足すように否定した。

「そうなの?じゃあ手を繋いでたのは?」

答えは聞かなくても分かる気がしたけど、それでも敢えて確認すると、ニノがぼんっと真っ赤になった。

「それは本当なんだな」

からかうように言えば、ますます赤くなって俯いて。

可愛い反応に胸が痛んだ。

「呼び出されたのも本当なんだろ?翔くんが一緒だったなら大丈夫だろうけど、何もなかった?」

笑いを引っ込めて一番聞きたかったことを聞く。
自分がショックを受けたことより何より、それが一番心配だった。

「うん、なかった」

俺の心配が伝わったのか、ニノも素直に答えてくれた。

「そか、なら良かった」

ホッとして笑うと、ニノも笑った。

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