第19章 勘違い
腹を括るしかないか…
「………告白された」
「え……うそ……」
観念して正直に答えたら、ニノは驚いて目をまん丸に見開いた。
でもすぐに悲しそうにその瞳が潤んで。
「…そんなの知らなかった…なんで言ってくれなかったの?」
「ごめん」
少し責めるような口調に、すぐ謝ったら、ニノはぎゅっと唇を噛み締めた。
やがて首をふるふると横に振ると
「ちがう…俺が翔ちゃんのことで頭がいっぱいだったから言えなかったんだよね。本当なら言われなくても俺が気付かなきゃいけなかったんだ…ごめん…」
なんでか逆にニノに謝られてしまった。
「なんでニノが謝るんだよ」
「だって…」
「そんなの謝ることじゃないよ」
俺が黙ってたんだから。
ニノが謝るようなことは何もない。
確かにいつものニノだったら、俺が言うまでもなく気付いただろう。
でも最近のニノは、そんないつもと同じことが出来ないくらいの状態だったんだよ。
それくらい気持ちに余裕がなかったんだ。
ニノはちょっと落ち込んでたけど、すぐに気を取り直すように笑顔を浮かべた。
「いつから付き合ってるの?」
「………付き合ってない」
でも次の質問にも正直に答えたら
「え?なんで?」
無理して作っていただろう笑顔はあっという間に消えてしまった。
「え?告白されたんでしょ?なんで付き合ってないの?」
うまく理解出来ないのか、ちょっと混乱してるみたい。
そんなニノに俺はバカ正直に理由を告げてしまった。
「ニノが悲しい思いしてる時に俺だけ幸せになんてなれないよ」
こんなことニノに言うべきじゃなかったんだ。
ニノの性格を考えたら、ニノがどう感じるのかなんて分かりきってたのに…
「俺のせい…?」
ニノの顔から血の気が引いていくのが見て分かった。
しまった!と思った時にはもう遅かった。
ニノの見開いた目から一気に涙が溢れた。