第19章 勘違い
ーSsideー
長くてもどかしい1日がやっと終わって。
放課後、カズと雅紀と、心配した潤と智くんも一緒に5人で裏庭にやって来た。
カズを裏庭に連れてくるのは嫌だったけど、こんな話ほかの人が居るところで出来ないし。
他にいい場所も思い付かなかった。
不安そうに俺たちを見つめるカズに、雅紀と2人で必死に弁解する。
とにかく昨日カズが聞いてしまったことは誤解なんだって説明するのを、カズはずっと黙って聞いていた。
でも一通り聞き終わるとすぐに
「……誤解だなんて、そんなの嘘だよ…」
ポツリと悲しそうに呟いた。
なんでか分からないけど、カズは全く信じてくれてないようだ。
「なんでそんな嘘つくの?」
「嘘じゃないよ!」
「本当なんだって!」
雅紀と必死に訴えるけど、カズの表情からは疑念が消えない。
「俺、2人の関係否定しないよ?2人とも大切だから、幸せになってほしいと思ってる」
喋りながら、どんどんカズの目に涙が溜まってきて。
「でも、今まで俺が2人の邪魔してたんだよね。本当にごめんね」
今にも溢れ落ちそうな涙を隠すように俯いてしまった。
「もう邪魔しないから。だから、そんな嘘つかなくていいよ」
すごく悲しそうな声に、胸が痛くなる。