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キミのとなりで【気象系BL】

第1章 恋に落ちる


ーNsideー


「おはよー」

誰にともなく挨拶しながら教室に入るとチラホラと返事が返ってくる。

返事があるとやっぱり嬉しい。

自分の席に着くと、智が近付いてきた。

「おはよ、ニノ」
「おはよ、智。今日は早いね」
「俺はいつも通り。ニノが遅いんだよ」

どうせ遅くまでゲームしてたんでしょ~なんて言われて、その通りだったから笑っておいた。



第一希望だった高校に入学して1ヶ月、だいぶ慣れてきたと思う。

家から歩いて通えることと、付属校で内部推薦で大学に入れることが魅力で決めた学校。

中高一貫校だから募集人数はかなり少なくて、高校からの外部生は学年の1割くらい。

ほとんどが内部生だから、もうグループが出来上がっていて。

性格的に入っていけない。

別に無理に入る必要もないんだけど。

クラスメイトはみんな親切で優しい。

慣れない外部生の俺たちを気にかけてくれて何かと声を掛けてくれる。

私立の一貫校だからか良いところの坊っちゃんが多くて、何となくおっとりとしているというか人の良いやつが多い気がする。

でもどうしても何となく居心地が悪くて。

だから智と一緒のクラスで内心ホッとしていた。

それを態度には出せないんだけど。



智は中学からの友だち。

俺も智もどちらかと言うと大勢でワイワイするのが苦手。

どこか似ていたからか何だか妙に気が合って、自然と一緒にいることが多くなった。

智が隣にいると落ち着く。

マイナスイオンでも出てるんじゃないかと、俺は半ば本気で思ってる。

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