第19章 勘違い
もう色々把握した。
そうしたらやることは1つだ。
今すぐカズの誤解を解きたい。
俺と雅紀が両想いだなんて…俺の気持ちがカズ以外に向かっているだなんて誤解でもカズに思われたくないし。
無駄に自分を責めているというカズを早く楽にしてあげたい。
すぐにでもカズの元へ飛んで行きたいけれど、移動の時間すら惜しいから。
とりあえず電話を…と携帯を手にして、新しくメッセージが届いていることに気が付いた。
それはカズからで。
速攻で開いて読んだ瞬間、目の前が真っ暗になった。
『明日からは別々に登校しようね』
『今までありがとう』
『本当にごめんね』
何回見ても内容は変わらない。
え…なに…?
俺、フラれた…?
ショック過ぎてぶっ倒れそうだ。
「翔くん?どうしたの?」
「ニノから何か来てたの?何だって?」
「翔!見るぞ!」
俺の様子から何かを察した3人に詰め寄られて、動かない俺の手から潤が携帯を奪っていった。
画面にさっと目を通すと、智くんが一瞬で鬼のような形相に変わって。
そのまま俺の胸ぐらを掴んだ。
「何ボーッとしてんだ!落ち込んでる暇があんなら今すぐ電話しろ!ニノがどんな気持ちでこれを送ったのかも分かんねーのか!」
智くんに怒鳴りつけられて。
その言葉にハッとする。
そうだよ。
このメッセージもカズが誤解してる証拠じゃないか。
それなのにこんな簡単にショックを受けて、カズの気持ちを考えることも出来ないなんて情けない。
「ごめん。すぐ電話する」
潤から携帯を取り戻すと、智くんも手を離してくれた。
3人に見守られる中、カズの名前をタップした。