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キミのとなりで【気象系BL】

第19章 勘違い



画面に表示されているのは潤の名前。

「もしもしっ…!!」

急いで出ると

「お前何してんだよ?」

潤は呆れきった声で開口一番そんなことを言った。

はぁっ…という、大きなため息まで聞こえて。

「は?」

出鼻を挫かれて、つい間の抜けた声が出た。

何してんだって何だ?

いや、違う。
潤の質問も態度も意味が分からないが、今はそんなことどうでもいい。

「なぁ、カズは?カズはどうしたんだ?」
「………今どこにいんの?」

一番知りたいことを聞こうとするのに潤は答えてくれない。

俺が心配しているのは伝わっているだろうに、逆に質問が返ってくる。

「公園だけど!」
「…ああ、見えたわ。行くから待ってろ」

イラッとして怒鳴るように答えても、潤は冷静だ。

見えた?
もしかして…

視線をカズの家の方へ向けると、案の定そこに潤と智くんがいた。

でもカズの姿は見えない。

またざわりと不安が膨らんだ。


あっという間にやって来た潤は俺と雅紀の顔を見比べると

「お前らなぁ…」

なんとも言えない顔でまた深いため息を吐いた。

「さっきから何なんだよ!なぁ、カズは?家にいるのか?」
「いるけど…」

食ってかかる俺に対して、潤は顔をしかめた。

その歯切れの悪い返事に、やっぱりカズに何かあったんだと直感する。

さっきまで足が動かなかったのが嘘みたいに体が動いた。

すぐにでもカズの元に行きたくて走り出そうとしたのに、すぐに腕を掴んで止められる。

苛立ちながら振り返ったら、俺を止めたのは智くんだった。

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