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キミのとなりで【気象系BL】

第19章 勘違い



「………ノ!ニノ!!ねぇ、どうしちゃったの?」

気付いたら教室にいて。

何だか焦ったような智に揺さぶられてた。

「……え?さとし?」

あれ?いつの間に戻ってきたんだろ?
ゴミ箱は?

なんだか頭がボンヤリしてる。

とりあえずゴミ箱を確認したら、ちゃんと定位置に置かれていた。

無意識に持って帰ってきて、ちゃんと片付けたらしい。

「ニノ?どうしたの?大丈夫?」
「なにが?」

智は何を心配してるんだろう?

俺にはわからない。
わかりたくない。

「何がって…」
「俺、帰るね」

早く家に帰りたくて。
ここに居たくなくて。

さっさとカバンを掴んだら

「待って!まだ翔くんと雅紀が…」

慌てた智に止められた。

2人の名前を聞いて、さっきの会話と光景がフラッシュバックする。


「………っっっ」


胸が痛い。
息が出来ない。

「ニノ?」

今あの2人に会って冷静でいられる自信なんてない。

「…や…だ…、…家に、帰る…帰りたい…」
「ニノ、翔と雅紀もう戻るはずだから。待ってろって」

潤くんにも止められるけど。

「…今、翔ちゃん…と…雅紀には、会えない…」

2人の名前を口にしたら涙が出てきた。

「ニノっ、どうしたの?なんで泣くの?」

智が慌てて涙を拭って背中を擦ってくれる。

でも一度溢れた涙は止まらない。
後から後から壊れた蛇口みたいに出てくる。

「会えないって何で…?」
「会い…たく…ない…」

それ以上はもう言葉にならなかった。

涙が止まらない。
息が出来ない。

苦しいよ……
助けて……翔ちゃん……

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