第19章 勘違い
1人で校内を歩いていたら、違和感を感じてちょっと心細くなった。
よく考えたら、いつもどんな時でも翔ちゃんが一緒だから、校内を1人で歩くことなんかほとんどなくて。
翔ちゃんがいない時は智が一緒にいてくれるし。
だからただ歩いてるだけなのに、なんかちょっとドキドキして。
意味もなく早足になってしまった。
さっさとゴミを捨てて、教室に戻ろうとした時。
裏庭の方から翔ちゃんの声が聞こえた気がした。
距離もあるし、気のせいかな?
裏庭は翔ちゃんと仲良くなったキッカケの場所だけど、同時に嫌なことを思い出しちゃうから、あの日からなるべく近付かないようにしてる。
でも、告白スポットなんだよね?
そこから翔ちゃんの声が聞こえた。
それって…
それってさ…
だから、廊下にいなかったの?
だから、俺に何も言わずにいなくなったの?
もしかして…
好きな人からの呼び出しだったの?
胸がギュッと締め付けられたみたいに痛くなって。
思わず胸を押さえてその場にしゃがみ込んだ。
ただの想像なのにバカみたい。
考えたってどうしようもないんだから、考えるだけムダだよ。
自分で自分に言い聞かせる。
早く教室に戻らなくちゃ…
そう思うのに。
でも、どうしてもどうしても気になってしまって。
やめておけばいいのにゴミ箱をその場に置くと、声がした方へそっと歩き始めた。