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キミのとなりで【気象系BL】

第19章 勘違い



「翔くん…」

雅紀の声が固くて、俺まで緊張してしまう。

「翔くんは今のままでいいの?」
「へ?」

一体何を言われるのかと身構えてしまっていたけれど、主語のない質問につい間の抜けた声が出てしまった。

「何…」
「翔くんはニノのこと好きだよね?」

何のことか聞き返そうとしたら、遮るように今度はど直球な質問が飛んできた。

それは質問というよりかは確認という感じで。

やっぱり俺の気持ちは知られていたらしい。

「ニノに気持ちは伝えないの?付き合いたいとは思ってない?」

俺が口を開く前にどんどん質問が飛んでくる。

口を挟む隙がないから頭の中で答える。

カズと付き合いたいかって?

そんなの付き合いたいに決まってる。

恋人になれるならばなりたい。
カズを俺だけのものにしたい。

でも俺たちは男同士だから…

カズは普通に女の子が好きだろうし。

男からの好意にはまだ嫌悪感や恐怖心があるんじゃないかとも思うし。

カズと付き合うなんて現実的に無理だろう?

気持ちを伝えてドン引きされるくらいなら…
いや引かれるだけで済めばいいけど、気持ち悪いと付き合いを絶たれてしまったら?

そんなの耐えられない。
それならば想いを一生隠してでも親友でいたい。

どんな形でもいいからカズのそばにいたいんだ。

何も答えない俺を雅紀はじっと見つめている。

雅紀はなんで改まってこんなことを聞く?
この質問の意図は何なんだ?

俺を見つめる瞳を見つめ返してみるけれど、答えは見つけられない。

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