第19章 勘違い
別に雅紀と話をするのは構わない。
全然構わないが、俺はどこに連れて行かれるんだ?
ってか、ここを離れるならカズに一言言っておきたい!!
「ちょっ…雅紀っ…」
ジタバタともがいてみるが雅紀はびくともしない。
すげー馬鹿力…
何を考えているのか、呼びかける声も聞こえてはいなそうで。
なす術もなく引き摺られるしかない。
まぁ今日は潤たちがいるから、カズが1人になることはないだろうし。
俺がいない理由も伝えてもらえるだろう。
出来れば掃除が終わるまでに教室に戻りたいけど…雅紀の話とやらは一体何なんだろう?
疑問だらけのまま連れて来られたのは裏庭。
完全に人気のない場所まで来て、やっと俺は解放された。
向き合った雅紀は真剣そのもので。
緊張してるのかその顔は少し強張っていて。
いつも笑顔を絶やさないやつが真顔だとちょっと怖い。
でも改めて見ると雅紀も顔が整っててかなりカッコいい。
イケメンにじっと見つめられて、意味もなくちょっと動揺してしまう。
てゆーか、裏庭で2人きりでこんな張り詰めた空気って…もしかして?
………告白?
いやいやいや!!
ないないない!!
だって雅紀だよ?
今までカケラもそんなの感じたことないよ?
それに雅紀は俺の気持ち知ってるよね?
口に出して言われたことはないけど。
まさかだよね?
……ないよね?