第19章 勘違い
「俺は…なんか変わった気がしてる。言葉でうまく説明出来ないんだけど…」
素直に最近感じていることを伝えてみたら、また2人は顔を見合わせた。
「翔がそう感じてるなら、それはそうなんだと思うよ」
潤がそう言うと、隣の智くんも頷いた。
「どうしてニノが変わったのか、原因は分かってるの?」
「分からない…」
首を振ったら2人の顔が曇った。
分かりやすくガッカリって書いてある。
「で、でもバレンタインの後からって言うのは分かってるよ」
なんとなく焦ってしまって。
言い訳じゃないけど慌てて付け足したら、今度は2人の顔がパッと明るくなった
お?何かイイ線いけたのか?
でもそんな大したこと言ってないよな?
…というか結局俺ばっかり喋ってて、2人から見たカズはどうなのか教えてもらってないんだけど。
2人のこの反応。
もしかして何か知っているんじゃないのか?
「なぁ…」
「翔くん!ちょっといい?」
問い質そうとしたら、すごい勢いでやって来た雅紀に遮られた。
「な、なに?どうした?」
勢いに押されて、口から出掛かっていた質問を飲み込んで雅紀に向き合うと
「話したいことがあるんだ…2人で…」
雅紀はいつになく真剣な顔をしていて。
「ちょっと付き合って!」
腕を掴まれたと思ったら、口を開く隙も与えられないままズルズルと引き摺られる。
「え?ええ?」
よく分からないうちに潤と智くんが遠ざかって行く。
2人とも呆気に取られた顔でこっちを見てた。