第19章 勘違い
「あのね、ニノが翔くんに他に好きな人がいるって誤解してるんだよ。それでずっとその人を探してて…」
「は?!そんな人どこ探してもいないでしょ。櫻井くんなんて二宮くんしか見てないんだから」
風ぽんが驚いて目を丸くする。
やっぱりみんな同じこと思うよね。
「そうなんだよ…でもニノは誤解を信じ込んじゃってるし、翔くんはそのことに気付いてないし」
「それは厄介というか何というか…」
現状を把握した風ぽんも困った顔になった。
「でしょ?でね、そんな2人に俺は何をしてあげられるかなーって考えてたんだけど」
「2人のことなんだから放っとくんじゃダメなの?」
でも意外とシビアだ。
それとも俺がおせっかいなだけ?
「余計なお世話かもしれないけどさ、今のニノ見てると切ないんだよ…何とかしてあげたくなっちゃうんだ」
「相葉ちゃんも二宮くんのこと好きだよね〜」
何気なく風ぽんに言われてドキッとする。
俺の気持ちバレてる?
別に揶揄う感じじゃないし、深い意味はないのかな。
「大事な幼なじみだもん。出来たら悲しい顔なんて見たくないし、幸せになってほしいよ」
とりあえず幼なじみを強調してみたけど、風ぽんも深く追求する気はなさそう。
やっぱ深い意味はなかったんだ。
「そっか。じゃあ何か良い案がないか一緒に考えよ」
風ぽんがにっこり笑ってそう言ってくれたから嬉しくなっちゃって
「ありがとー!風ぽん大好き!」
「えっ、わっ、ちょっ…あ、相葉ちゃ…」
勢いよく抱きついたら、風ぽんは何故か赤くなってワタワタしてた。