第19章 勘違い
「はぁ…」
「どしたの、相葉ちゃん?でっかいため息ついて」
放課後、部活に行ってからもなんだか切ないような、なんとも言えないモヤモヤした気持ちが消えなくて。
帰る道中でついため息を吐いちゃったら、風ぽんに心配された。
「なんか悩みごと?」
「うーん、俺のことじゃないんだけどさ…」
悩みというか、ニノたちのために俺に出来ることをずっと考えてる。
でも1人で考えてても何も良い案なんて浮かばなくて。
ふと、風ぽんに相談してみるのもありかなって思った。
あの4人とは違うけど、風ぽんも信頼できる大切な友だちだから。
「えーと…誰がどう見ても両想いなのに、お互い片想いしてるって思い込んでる友だちがいてさ…」
「ああ、二宮くんと櫻井くんのことね」
一応名前を伏せたのに、最後まで言わないうちにバレた。
「バレバレ?」
「相葉ちゃんの友だちの話っていう時点で2択じゃん」
風間ぽんがおかしそうに笑う。
確かにその通りか。
俺が自分のことみたいに悩む友だちなんてニノか智くらいだ。
でも、笑われてちょっと悔しかったから
「もう、せっかく名前伏せようとしたのに」
「隠す必要ある話なの?」
ちょっと膨れてみたら、風ぽんが首を傾げた。
「……どうだろ?でも一応他の人には内緒にしてね。風ぽんのこと信じてるからね?」
一応念押ししたら、何故か嬉しそうな顔でしっかり頷いてくれた。
なんで急に機嫌が良くなったんだ?
悪くなったわけじゃないからいいけど。