第19章 勘違い
ーOsideー
ニノが俺に引っ付いたまま離れない。
寒いっていうのは本当だと思う。
ニノ冷たいし、震えてたし。
俺も寒いからニノとくっ付いてればあったかい。だから全然いい。
ニノが寒いならあっためてあげたいしね。
でもねぇ…
絶対翔くんも同じこと思ってるよ。
自分がニノのことあっためてあげたいって。
今もなんとも言えない顔でこっち見てるもん。
ニノは翔くんのことを見てるけど、あの表情に気付かないのかな。
もしかしたら翔くんを見てるようで、本当は何も見えてないのかもしれないな。
最近またニノから俺へのスキンシップが増えてる。
増えてるっていうか以前みたいに戻ったっていうか。
以前っていうのは、ニノが翔くんと仲良くなる前ってことなんだけど。
いつからっていうのはハッキリしてる。
バレンタインから。
翔くんに好きな人がいるって分かってからだ。
ニノは変わらず翔くんの隣にいるけど、やっぱり何も変わらないわけはなかった。
日を追うごとに翔くんとのイチャイチャが減って、その分俺とのスキンシップが増えてるんだ。
本人は意識してんだか無意識なんだか分かんないけど。
俺にくっついてると安心するのかな。
それならいくらでもくっついてればいい。
俺だってニノが甘えてくれれば嬉しいし、いくらでも甘やかしてあげたい。
でもそれだけじゃ何も解決しない。
それは分かってるんだけど…
どうしてあげるのがいいのか、まだ答えを見つけられないでいる。
ため息を飲み込んで、ニノを抱き締める腕に力を込めた。