第18章 バレンタイン
分からないことは聞くしかない。
でもなんて聞けばいいんだ?
“今のって告白?
好きって恋愛感情として?”
…いや、いくらなんでもそんなどストレートに聞けない。恥ずかしすぎる。
「潤…」
とりあえず名前を呼んでみたら、潤はハッとしたように俺を見た。
我に返ったみたい。
潤は大きく息を吐くと
「勝手に口が動いて自分で自分に驚いたわ」
まるで他人事みたいに言うから困ってしまった。
「いや、そんなこと言われても…」
驚いたのは俺だってば…
潤は俺が困ってることに気付くと
「ごめんごめん」
一応謝ってくれたけど、なんか軽いし!
笑ってるし!
結局さっきのは何なのさ?
ついジトッと見つめてしまったら、潤はその視線をしっかり受け止めて俺を見つめ返した。
笑顔が消えて真剣な顔になったからドキッとする。
「俺、ずっと智のことが好きだったんだよ」
………っっ///
また好きって……!
今度は潤もちゃんと落ち着いていて。
まっすぐな視線に、まっすぐな言葉に、再び顔が熱くなる。
分かった。
これはやっぱり告白だ。
友だちとしてじゃないって。
恋愛感情としてなんだって。
潤の表情や声から伝わってくる。
「今はまだ言うつもりはなかったんだけど…あんまり智が可愛く笑うからさ。ついポロっと出ちゃったみたい」
潤は眉を下げて笑うと、またごめんと謝った。
「困らせてごめんな?」
俺、そんな困ったような顔してんのかな。
確かにちょっと困ったけど。
それは何がなんだか分からなかった状況に対してだったり、他人事みたいな潤の発言に対してであって。
潤の気持ちや告白自体には困ってない。