第18章 バレンタイン
周りのやつらも同じ思いなのか、単純に面白がってるのか分からないけど、俺に同調してくれてる。
「友チョコだって女の子同士のものでしょ?」
ニノはまだ否定的だけど、さっきまでの勢いはなくなってきてて。
「友だちに男も女もないでしょ」
「…本当に翔ちゃん喜ぶ?」
「うん!絶対!」
「気持ち悪いって思わない?」
「思わないって!」
智も一生懸命説得しようとしてる。
誰よりもニノの幸せを願ってるんだもんな。
ニノがチョコを渡せば翔が喜ぶのなんて考えるまでもなく当然のことで。
翔が喜べばニノだって嬉しいはずだ。
気持ちを伝える伝えないとか、進展するしないとか。
そんなの置いといても、チョコを渡すことでマイナスになることなんて1つもないはずだ。
「ニノのお弁当すごく喜んでたじゃん!甘いものだって喜ぶに決まってるよ」
「でも…バレンタインだよ?なんか、なんかさ…お弁当とは違うじゃん…」
「さっき潤も言ってたけど、そんな深く考えなくてもいいんじゃない?」
「…そう?…そうなのかな?……じゃあ、ちょっと考えてみよっかな……」
ニノはまだ眉間にシワを寄せてるけど、智の熱意が伝わったのかさっきよりだいぶ前向きな返事になった。
よしよし!
まだ迷ってそうだけど、智と一緒にしばらくの間しつこくない程度に背中押してやってたらイケるだろ。
ニノにチョコをもらってデレる翔の顔が簡単に想像出来るな。
翔、感謝しろよ!