第17章 誕生祝い to SHO
ーSsideー
昨日はカズのサプライズ弁当に感動して。
今日は誕生日祝いという名目でみんなで遊んで。
1日中カズと手を繋いで、カズの笑顔を独り占めさせてもらって。
今年はなんて幸せな誕生日なんだろう。
幸せをしみじみと噛み締める。
しばらく立ち止まってイルミネーションを眺めた後、今度は自然と5人でまとまって滑り始めた。
もちろんみんなと一緒だってカズの手は離さない。
俺が滑れないからっていう口実も、はぐれないようにっていう口実も、もうあってないようなものだけど。
そんなことには気付いていないフリをする。
「こんな綺麗なイルミネーション見ながらスケート出来るなんてすごい贅沢だね♡」
「本当だね♡」
カズは目をキラキラさせながら智くんとキャッキャとはしゃいでいて。
今カズの視線は俺に向いてないけど、それでもカズもしっかり俺の手を握ってくれている。
全然離す気配がないのが嬉しい。
潤と雅紀ははしゃぐ2人を優しく見守りつつ、自分たちも楽しそうにイルミネーションを眺めていて。
やっぱり場所をここにして正解だったな。
クリスマスの時のことは、ずっと心の片隅に引っかかっていた。
でもわざわざイルミネーションだけを見に行くのは、もしかしたらまた雅紀が気にしてしまうかもと思って…
だから、スケートしながら自然にイルミネーションを見ることが出来るこの場所はちょうど良かったんだ。
胸のつかえが取れたみたいでなんかすっきりしたし。
何より5人での思い出をすごく大切にしてるカズが本当に嬉しそうだから。
俺もすごく嬉しくなった。