第17章 誕生祝い to SHO
冬至から1ヶ月くらい経つけど、まだまだ日が暮れるのは早くて。
暗くなってきたなと思っていたら、パッとイルミネーションが点灯した。
わっと歓声が上がって。
みんな足を止めて見入ってる。
「わぁ…っ!」
「綺麗…」
智と雅紀も目をキラキラさせて、イルミネーションに釘付けになった。
クリスマスに見たのとはまた違う雰囲気に、俺の心も自然と弾む。
翔はスケートリンクを選ぶ時、イルミネーションを見ながら滑れるっていうのが決め手でここに決めてた。
ニノとロマンチックなデートがしたかったっていうのももちろんあるだろうけど。
一番は雅紀と5人でイルミネーションが見たかったからだって知ってる。
雅紀の誕生日の時、雅紀だけ一緒に見れなかったから。
みんな気になってたけど、中でもニノがすごく気にしてて…
翔は雅紀のためにもニノのためにも、もう一度みんなでイルミネーションを見る機会を作りたかったんだと思う。
「ここのイルミネーションも綺麗だね」
「うん♡」
いつの間にか、翔とニノもすぐ近くに来ていて。
5人並んで、しばらく黙ってイルミネーションを眺めた。
「今日は5人で見れた…」
ふいに小さな小さな声でニノが呟いたのが聞こえて。
見たら、口角がきゅっと上がってものすごく嬉しそうな顔で微笑んでいた。
こういうところは素直で可愛いよなって思う。
ニノの向こうでは、翔がニノ以上に嬉しそうな顔してニノを見つめていて。
智と雅紀はニノの呟きが聞こえたかは分からないけど、やっぱり嬉しそうな笑顔を浮かべてた。